週刊誌報道をきっかけに、豊田真由子衆院議員の秘書への暴言・暴行についての報道が続いています。

この件について私は、マスコミ報道とは少し違った観点から考えてみたいと思います。というのは、私は一昨年より議員秘書のストレスに関する研究を実施しているからです。この研究では、150名以上の議員秘書からストレス実態に関するデータが集まり、インタビュー調査も予備調査を含めると10名以上の議員秘書から協力を得ることができました。

この調査では、議員秘書と標準的な集団とのストレスを比較した結果、議員秘書のストレスが倍以上という数値が出てきました。その詳細なデータは今後、学会発表や投稿論文などで発表していきます。

協力してくださった議員秘書の中には、議員からハラスメントを受けてきたことを、学問を通して公開して欲しいと私に託して下さった方もいます。野党やマスコミは豊田議員の人間性や政権与党に対する批判をしていますが、今回の件をきっかけに議員秘書全体の労働環境やストレスマネジメントについても焦点を当てるべきだと思います。

今後も私は、高ストレスな職場でありながら実態解明が進まない業界のストレスマネジメントについて研究を続けて、学問の世界から劣悪な職場環境を変えていく機会を作っていきたいと考えています。