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2016年1月29日 副社長のブログ

大事な場面で緊張に飲み込まれないようにするには~②~

前回は、面接でパフォーマンスを発揮できない方の多くは、本当はリラックスしているときに能力を発揮できるタイプでありながら、面接になると緊張してパフォーマンスを発揮できていないというお話をしました。そして、それは自分のこころと体をコントロールできないことが原因である、ということでした。

自分のこころと体をコントロールできないということは、一体どのようなことでしょうか。例えば、緊張のため面接で自分の思うようなPRができないという場面を思い浮かべてください。このとき、体の中ではどのようなことが起こっているか知っていますか?

自律神経の交感神経と副交感神経が緊張と大きく関係しているのです。

交感神経は、緊張しているときや興奮しているときに、心身を活発にする神経です。激しい運動をしているとき、恐怖や危機を感じているとき、頑張って働いているときなどにも交感神経が働いています。この交感神経を活性化させる神経伝達物質は、アドレナリンやノルアドレナリンです。これらのシグナルが受容体に作用することで、血圧が上昇し、呼吸と心拍が速くなり、手足が冷たくなり、骨格筋は緊張し、瞳孔は拡大します。

一方、副交感神経は、心身を休めて回復させるなど体のメンテナンスを担う神経で、睡眠時や休息時などリラックスしている時に働く神経です。副交感神経は、神経伝達物質の一つであるアセチルコリンによって活性化します。副交感神経が働くと、交感神経が活発なときとは反対で、呼吸はゆっくりになり、心拍は遅く血圧は下降し、骨格筋は弛緩、瞳孔は縮小しています。

緊張状態で自分のこころがコントロールできないときは、交感神経が優位になっているため、なんとか心を落ち着けてリラックスさせようと頑張ってしまい、その結果、更に交感神経が優位になって余計に焦ってしまうのです。こころと体が悪循環に陥っていると言えます。

そんなときリラックスするためには、副交感神経が優位になっている状態の体に誘導していくことです。例えば、弛緩法や呼吸法などを用いて筋を緩めたり、腹式呼吸をしたりするのが効果的です。

自分自身の自律神経の状態をメカニズムとして知った上で体感すること、どのような体の状態であることが自分のパフォーマンスを最も発揮できるのかを、感覚だけでなく知識として理解しておくことが重要なのです。

こころを落ち着かせたいと感じたら、リラックスをするよう頑張るのは逆効果です。自分の体のメカニズムを知り、体から意識してこころをコントロールするという視点も持ってみましょう。
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